クリスマスシンボル

  クリスマスシンボル


 クリスマスの時期は、キリスト教が広まる以前のヨーロッパにおいては冬至を祝うときでした。また、寒い季節にあって生き生きとした色をつける常緑樹は、強い命の象徴とされていました。

 キリスト教が次第に伝わっていくにつれ、クリスチャンはそのような地元の習慣のいくつかをキリスト教的な意味合いをこめて取り入れ、また、新たな習慣やシンボルも作り上げてきました。

 ここで紹介するのは、そのようなクリスマスのシンボルや飾りの由来と意味です。どんな意味があるのかがわかれば、今年のクリスマスは、きっと今までとは違った輝きを持つことでしょう。

  クリスマスカラー


 クリスマスのイメージとなっている色には、全般的に次のような意味があります。

 緑:ヒイラギやモミなどの常緑樹が、枯れることなく常に緑を絶やさないことから、永遠の命を表しています。

 赤:イエス・キリストが私たちを救うために十字架上で流した血を表しています。また、神の愛の象徴でもあります。

 白:雪の色であるとともに、純潔さや、罪がゆるされて清められた魂を表しています。

 金:王としてのキリストの高貴さや、キリストの降誕を知らせたベツレヘムの星を表しています。

  クリスマスツリー


 クリスマスになれば、あちこちで見かけるクリスマスツリー。その由来は8世紀のドイツにさかのぼると言われています。当時のドイツには、ドルイド教団員と呼ばれる人たち(キリスト教に改宗する以前の古代ケルト族の僧・妖術師・詩人・裁判官など)がいました。彼らはオーク(木)を崇拝し、幼児犠牲を捧げていました。伝説によると、イングランドからの伝道者であるボニファティウスがそれを止めようとしてオークを切り倒したときに、一本のモミの若木に関わる奇跡が起こったため、それを記念するためにドイツではモミの木をクリスマスに植えるようになったということです。

 また、16世紀のことです。マルティン・ルターがクリスマスイブ礼拝の帰り道、森の中で常緑樹の枝の合間にまばゆく輝く無数の星を見ました。その美しさに打たれたルターは、それを子供たちのために再現しようと、家の中に木を持ち込み、火を灯したろうそくを枝にくくりつけたそうです。

 それから、ドイツではクリスマスツリーが一般的になり、次第に色々なオーナメントが飾り付けられるようになっていきました。

 19世紀初頭、ドイツからの移民たちによって、クリスマスツリーの習慣がアメリカへ伝えられました。

 また、イギリスでは1841年、ヴィクトリア女王の夫君であるアルバート公がウィンザー城でクリスマスツリーを飾り付けたのが始まりとされています。

 ツリーには必ず常緑樹を使います。この「常緑」、つまり強い生命力をもって一年中葉を茂らせる緑の姿は永遠を表し、さらに神の永遠の愛や、イエス・キリストが与える永遠の命を象徴しています。

  ツリーのライトやイルミネーション


 クリスマスツリーに使われていたろうそくは、火事の元にもなるために大変危険でした。そこで、居間には水を張ったバケツが置かれていたそうです。

 19世紀の終わり、アメリカの電話会社の職員が電話の交換機に使われる電球を見ていて、クリスマスライトのアイデアを得ました。安全で手軽に使えることから、クリスマスライトはろうそくに代わって普及していきました。

 というわけで、このライトはもともとはろうそくであり、マルティン・ルターが再現したかった、空に輝く星を表しているのです。

  ツリーのトップスター(星)


 クリスマスツリーのてっぺんには、ひときわ大きな星が飾られています。これは、東方の博士(賢者)たちを幼子イエスへと導いた星(ベツレヘムの星)を表しています。

 博士たちは、東方で不思議な星を見て、それが救い主の到来を告げるものであるということを悟りました。そして、その星に導かれ、遠くユダヤの地(現在のイスラエル)にあるベツレヘムという町にいた幼子イエスとその両親のもとにたどり着いたのです。

  オーナメントボール


 もともとは、アダムとエバ(イブ)が食べた知恵の木の実を象徴するリンゴが飾られていました。

 今では金属光沢のあるメッキボールなどがよく使われています。色の意味は「クリスマスカラー」を参照してください。

  プレゼントを入れる靴下


 サンタクロースのモデルとされているニコラオスが、貧しい家の子供たちを助けるために窓から金貨を投げ入れると、暖炉のそばにあった靴下の中に入った、という逸話から来ています。

  リース


 その形が終わりのない円であることから、神の永遠の愛を象徴しています。また、ツリーに常緑樹が使われるように、リースにも、多くの場合、常緑樹の小枝が用いられます。

  ベル(鐘)


 クリスマスベルの喜ばしい音は、救い主であるイエス・キリストの誕生を告げ知らせるものです。

  キャンドル(ろうそく)


 クリスマスにはよくキャンドルが使われます。さまざまな色や形があり、また香り入りのものもあります。

 イエス・キリストは「世を照らす光」と呼ばれており、それを表すのがキャンドルなのです。

  ヒイラギ


 イエス・キリストは、十字架につけられる前にいばらの冠をかぶらされました。刺(とげ)のようなヒイラギの葉は、そのいばらの冠を象徴しています。

 また、ヒイラギの赤い実は私たちの救いのためにイエス・キリストが流した血を、そして緑の葉は永遠の命を表しています。

  キャンディケイン(杖の形をしたキャンディ)


 20世紀の初頭、アメリカのインディアナ州にいたキャンディ製造業者が、イエス・キリストを象徴するようなキャンディを作りたいと考えたのが、キャンディケインの始まりです。

 このキャンディの硬さは、私たちの人生を堅く守ってくれる岩であるイエスを、また岩のように堅い信仰を表しています。

 聖書では、私たちは羊、またイエスは羊飼いにたとえられています。そこで、このキャンディは羊飼いの杖の形に作られました。また、さかさまにして見るとアルファベットの「J」になり、これはイエス(英語でJesus)の頭文字です。

 はじめは、イエスの清らかさを表すために真っ白のキャンディを作りましたが、あとから4本の赤いストライプを入れました。3本は十字架につけられる前にローマの兵士に鞭打たれたときの傷を、残りの太い1本はイエスが十字架で流した血を表しています。

 イエスは神が人類に与えた贈り物であるということを思い起こさせるために、緑のストライプが入れられるときもあります。

  あなたへのクリスマスプレゼント


 神とイエスからあなたへのクリスマスプレゼントがあります。それは、イエス・キリストご自身であり、イエスを信じる人に与えられる永遠の命です。イエスがこの世に生まれたのは、あなたを愛するためであり、十字架にかかって死んだのも、やはりあなたへの愛のためでした。

 今、世界の愛は冷えています。日本でも、大変な事件が相次いでいます。この暗い世の中を、行く先の知らない羊のように私たちはさまよっているのです。人生を導いてくれる羊飼い、そして心の闇を照らしてくれる光、それがイエスです。

 心を開いて、このプレゼントを受け取ってください。ただこう祈りましょう。

 「イエス様、あなたの愛を感謝します。私のすべての過ちをゆるしてください。私の心に入って、あなたからのプレゼントである永遠の命を与えてください。あなたの愛の光によって、私の人生を導いてください。アーメン。」

 今年のクリスマスが、あなたにとって真に意味があり、イエスの深い愛を感じられるものとなりますように。

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