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もう一つのクリスマス・ストッキング
G・L・エレンズ

毎年クリスマスになると、友人のアイラと一緒に、近くにある二つの孤児院の子どもたちのために、クリスマス・ストッキング(プレゼントの入った靴下)を用意します。私たちは二人とも、家族から遠く離れて暮らしているので、クリスマスにこのようなことができて、とても幸せに感じるのです。

その日、私たちはリビングで、流れ作業のように、洗面用具、ハンドタオル、クリスマス・キャンデーなどを靴下に入れていき、最後の一つが詰め終わったところでした。すべての子どもが、一つずつクリスマス・ストッキングを受け取ります。

見渡してみると、品物がちょうど一つずつ余っていました。

「あなたが使ったら?」とアイラが言ってきたので、笑いながら、答えました。「私はいいわよ。必要ないもの。」

そういうわけで、余分の品物はコーヒーテーブルに積んでおきました。

それから、靴下を箱に詰めて、車に載せました。それを孤児院に届けるのは、アイラの係です。

私は微笑みを浮かべ、「きっと子どもたちは喜んでくれるわ」と言いながら、彼女を見送りました。

その日の夕方、すべてのクリスマス・ストッキングが届けられた後、一つの孤児院の職員からメッセージが来ました。「最後にこちらに来ていただいてから、新しい男の子が一人入所していましたので、お伝えさせていただきます。」

「えー! それじゃあ、その子の分が足りないわ。かわいそうに・・。」

後ろを振り返ると、テーブルの上には、余分の品物が置いてあります。

ちょうど一人分が揃っているのを思い出し、それをすぐに詰めて、孤児院に届けました。

これはすごいわ! イエスさまは、新しい男の子が入ったことを初めからご存知だったのね。そして、私たちがそれを知るのを待っておられたんだわ!」

神は、孤児になったばかりの少年を気にかけて、その子がクリスマスに忘れられることのないように配慮してくださったのです。そして、救いを与えるため、御子イエスを送ってくださったのも、私たち一人ひとりを愛しておられるからでした。

それが、クリスマスというものです。プレゼント交換でもお祭り騒ぎでもなく、他の人のために何ができるかということでさえありません。クリスマスの意義は、神の愛です。神は私たち一人ひとりを個人的に愛しておられるので、誰一人として、そう、あの孤児にも、忘れられた存在になってほしくないのです。

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